2011年9月20日開催 ~NPO創立10周年&OSJ財団設立記念コンサート~
18時00分開場 19時00分開演
サントリーホール
サントリーホール
曲目
グヴィー「レクイエム」本邦初演(ジェームズ・ジョン指揮)ハイドン「戦時のミサ」(牧野成史指揮)
ラター「グローリア」(右近大次郎指揮)
出演者
指揮:ジェームズ・ジョン/牧野成史/右近大次郎管弦楽:オラトリオ・シンフォニカJAPAN
合唱:東京ライエンコーア、東京オラトリオ研究会 他
所沢バッハ・アカデミー、横浜モーツァルト・アカデミー
戦時のミサ
フランツ・ヨゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn)ミサ曲ハ長調(HobXXⅡ‐9)《戦時のミサ》とその時代背景
(Paukenmesse HobXXⅡ:9)
1796年この年、フランス革命政府がオーストリア攻撃を開始し、ナポレオンの率いる第3軍がイタリア各地でオーストリア軍を破り、まさにウイーンを衝く態勢を整えた時でした。そういう政治状況の反映で
この曲が《戦時のミサ》とハイドン自身の手でラテン語で書き込まれています。特に作品自体に、特に戦争を暗示する部分、要素は無いと思われます。「アグヌス・デイ」でティンパニーがこうまで活躍するのは珍しく(特にミサ曲)、したがってドイツ語圏では《パウケン・ミサ》つまり《ティンパニー・ミサ》の通称で、親しまれてきました。
作曲:1796年(自筆譜による)67歳
初演:1796年12月26日ウィーン近郊のピアリステン教会(ランドンによる新説)
構成:独唱:S.A.T.B. 合唱:混声4部
オーボエ2、クラリネット2、フルート(自筆譜には記入されていない)、ホルン2、トランペット2、ティンパニー、
オルガン、弦5部。
演奏時間:約40分。
皇帝フランツ・ヨーゼフ2世の意思に基づき、オーストリアではカトリックの典礼の簡素化を図られ、その結果、ミサの中心となる音楽に大きな制約が課せられました。1790年にヨーゼフ2世の死をきっかけに、その制約は少しずつ弱められる傾向にあったとはいえ、ハイドン晩年の6曲のミサは、モーツァルト時代と大して変わらぬ条件で書かれたと思われます。それにも屈せず、《戦時のミサ》で明らかなように、いわば声楽と楽器のための交響音楽を、神の栄光をたたえて書き上げたのです。独唱と合唱という声楽要素と、オーケストラの器楽要素は、この上なく巧妙にしっかりと結び付けられ、これまでに無かったようなバランスの取れた融合体として、聴き手の前にその姿をみせます。交響曲をすべて書き終えたハイドンは、異なる分野で、依然、交響音楽の可能性を追求し続けるのです。