2000年1月23日開催 第5回記念定期演奏会 ALL Brahmus Program
12時45分開場 13時15分開演
所沢市民文化センター ミューズ・アークホール
所沢市民文化センター ミューズ・アークホール
曲目
ブラームス・ヴァイオリン ソナタ 第一番 op.78
・悲劇的序曲 op.81
・ドイツ・レクイエム op.45
出演者
指揮 : 牧野 成史ソプラノ : 小泉 恵子
バリトン : 北村 哲郎
コンサートマスター/
ヴァイオリンソロ : ハンスハインツ・シュネーベルガー
ピアノ : 草野 明子
ティンパニー : ルドルフ・シンガリン
オルガン : 刈屋 公延
オーケストラ : バッハ・アカデミー管弦楽団
合唱 : 所沢バッハ・アカデミー
出演を予定していた、クルト・ヴィドマーはインフルエンザでドクター・ストップがかかり、急きょ来日が困難となりました。
クルト・ヴィドマーの演奏を楽しみにされていた皆さま、本当に申しわけありませんでした。
代役には、実力派の若手バリトン北村哲郎を迎えました。
ブラームス音楽の神髄を!
モーツァルト教会音楽アカデミア主宰 廣政 豊音楽監督・指揮者というのは多忙であるばかりでなく、たいへん難しい仕事である。それをいとも簡単そうに、精力的にこなしておられる牧野成史氏には頭が下がる。自ら出演するヨーロッパでの演奏会を年に数回こなしながら、オーケストラの育成、コンサートの企画、出演者との折衝など、すべてのマネージメントを、ご自身一人で取り仕切っておられる。それはひとえに、牧野氏が理想とする音楽の世界を築きあげるためには、他人の干渉を一切排除しなければならないからである。
彼の理想を具現するものとして、所沢バッハ・アカデミー(TBA)と、横浜モーツァルト・アカデミーは、同じコンセプトに基づいて結成されたものである。TBAは前々回のコンサートでは、モーツァルトが編曲した<メサイア>(原曲:ヘンデル)という、珍しい大曲を見事な演奏で聞かせてくれた。いままたブラームスの<ドイツ・レクイエム>という名曲・大曲を取り上げている。これらはすべて牧野成史氏の信念と情熱の発露以外の何物でもない。彼の強靱な創作意欲には、ただただ敬服あるのみ。
今回のプログラムは<オール・ブラームス>で、管弦楽曲、室内楽、声楽のそれぞれのジャンルにおけるブラームスの神髄を伝える名曲ばかりで、大変楽しみである。ブラームスといえば交響曲をはじめとする管弦楽曲や室内楽が多くのコンサートを賑わせているが、ブラームスの真骨頂は、じつは彼の作品の半数以上を占める「声楽曲」にあると思っている。言葉を伴う声楽曲においてこそ、ブラームスの人間愛とやさしさ、内面の力強さ、彼が語りたいことが遺憾なく表現されているのであり、<ドイツレクイエム>この「ブラームスの声楽曲」という大きな山塊のピークに悠然と聳え立つ、まさに秀峰である。
毎回、ヨーロッパから演奏家が来日され、クルト・ヴィドマー氏はすでになじみ深い方である。ハンスハインツ・シュネーベルガー氏は、マルタンやバルトークをはじめ、多くの作曲家のヴァイオリン協奏曲などの初演をゆだねられたヴァイオリニストで、スイス生まれ、73歳の大御所である。草津音楽祭でもマイスター・コースの指導をされたので、わがが国のヴァイオリニストには彼の薫陶を受けた方も多いと思う。お二人の演奏もまことに楽しみである。 最近横浜での<オール・モーツァルト・プログラム>では「今の日本で、本物のモーツァルトを演奏できる、数少ない指揮者」と絶賛された指揮者牧野成史氏であるが故に、素晴らしいブラームスの内面を引きだしてくれるはずである。
ブラームスはモーツアルトを深く尊敬している音楽家だったからである。