2000年7月9日開催 第6回記念定期演奏会(J.S.BACH250年記念定期演奏会)
13時00分開場 13時30分開演
所沢市民文化センター ミューズ・アークホール
所沢市民文化センター ミューズ・アークホール
曲目
J.S.バッハ・ブランデンブルグ協奏曲 2番 BWV1047
・ブランデンブルグ協奏曲 4番 BWV1049
・カンタータ191番「グロリア イン エクスツェルシス デオ」 BWV191
モーツァルト
・ツァイーデ(後宮)より
・ツァイーデのアリア《やすらかにお休み、私のいとしい命よ》 KV344
・レクイエム KV626
プログラムに 「ツァイーデ」が追加になりました
出演者
指揮 : 牧野 成史ソプラノ : シャルロッテ・ピストア
メゾソプラノ : 小川 素子
テノール : 牧野 成史
バス : 北村 哲郎
コンサートマスター/
ヴァイオリンソロ : ヨハネス・クラール
チェロ : 徐 群 香
オーケストラ : 東京アカデミア=シンフォニカ【音楽監督:尾崎 寛尚】
合唱 : 所沢バッハ・アカデミー
画期的な試み、モーツァルト「レクィエム」指揮者がソロを唱う、そして指揮棒を振る!!
モーツァルト教会音楽アカデミア主宰 廣政 豊このコンサートで異彩を放つプログラムは、なんと言っても、テノール歌手であり、指揮者である牧野成史氏が、オーケストラと合唱団を指揮しながら、 みずからテノールのソリストとして歌唱されるということである。これはおそらく日本では初めてであり、世界でも非常に珍しいことである。 《モーツァルトのレクィエム》に限れば、間違いなく世界で初めての演奏形式であろうと思う。
ピアノやヴァイオリンを独奏しながらオーケストラを指揮する演奏家は少なくない。歌唱のソリストをつとめながら指揮することは全く目新しいことであるが、 しかし、このようなことは牧野氏にして初めて実現できることなのである。しかも、これは奇抜でもなければ突飛なことでもない。《モツレク》の独唱者として、 ヨーロッパで演奏すること優に数100回におよび、またこの曲を指揮することの経験も豊かであり、指揮者、独唱者の両方の立場から、 その音楽作りについての深い考察と力量をそなえている牧野氏だからこそ、実現できるのである。
これまで指揮者としての彼に接し、また声楽家としての彼に接して来た私たちは、今日、彼の両面の才能に、同時に触れることが出来ることは大きな楽しみである。 指揮者としての知性、声楽家としての感性がどのように融合し、その繊細で豊かな音楽が、オーケストラ、合唱団、独唱者のそれぞれに、 すみずみまでゆきわたった演奏となるにちがいない。
所沢バッハ・アカデミー(TBA)はすでに国内、海外において《モツレク》を演奏しており、そのレベルの高さはすでに定評があり、 この合唱団のゆるぎないレパートリーの一つとなっている。モーツァルトの生地であるザルツブルクの大聖堂およびフランチスカーナ教会で行われた 《モツレク》の演奏会は、昨年、一昨年ともに聴衆総立ちの拍手をもって絶大なる評価を得たことは、まだ記憶に新しい。
創立以来わずか3年であるが、その間、国内6回、海外2回の公演を行っていることは驚異的といってよい。その演奏レベルの高さとレパートリーをみると さらに驚きを禁じえない。モーツァルトの〈レクィエム〉は勿論のこと、モーツァルトの編曲になるヘンデルの〈メサイア〉、ブラームスの〈ドイツ・レクィエム〉 などの大輪の名曲、バッハ音楽の神髄であるカンタータのかずかずを取り上げている。
〈マタイ受難曲〉や〈ロ短調ミサ曲〉など、バッハの作品だけでも演奏してもらいたい曲は山ほどあるが、バッハ以外のものにも演奏してもらいたいと思う 音楽が数おおくある。早晩、これらの音楽が取り上げられることを大いに期待している。
この演奏会の2週間後、本年もフランチスカーナ教会にて〈モツレク〉を演奏するが、これは昨年のコンサートに深く感動した教会側からの、 再演の要請に基づくものである。
自分の音楽づくりに意欲的かつアクティヴに取り組んでおられる牧野成史氏にとって、本日の演奏会はかれの音楽活動において、画期的かつ大きな節目であり、 弾力のあるスプリング・ボードになることは確かであろう。次のさらなる跳躍を大いに期待させてくれるのである。